タクシードライバーが稼げるかどうかは、正直に言ってしまうと、それはドライバーの努力次第です。工夫して頑張れる方なら、平均以上稼ぐことができますが、楽をしようと思えばいくらでもさぼれる仕事でもありますので、平均以下の方もいます。ここでは、タクシードライバーとして稼げるようになるためのポイントをご紹介します。

タクシードライバーは平均どれくらい稼げるのか?

タクシードライバーが努力次第で稼げるのは、ほとんどのタクシー会社が歩合制を採用しているからです。売上が少ない場合にはそれに応じた給料になることもありますが、基本的には頑張れば頑張ったぶんだけ給料が上がるしくみになっています。タクシー会社によっては完全歩合制のところもあるので、自信のある方は完全歩合制の会社を探してみてもよいかもしれません。ただし、月々の給料が安定しないということから、タクシー会社の多くは基本給+歩合制+賞与という制度を採用しています。

では実際に、タクシードライバーの平均収入はどのくらいなのでしょうか。一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会が調査した「令和元年タクシー運転者の賃金・労働時間の現況」によると、令和元年6月度の月間給与の全国平均は28万4000円(男性タクシー運転者の場合)。また、賃金年間推計額は全国平均で約360万3800円(賞与込み)となっています。あくまで全国平均ですので、平均を大きく上回る方もいれば、下回る方もいます。

なお、タクシー会社の中には、入社して3カ月~6カ月程度は、保証給のサポート期間を設けているところもありますので、未経験から入社される方は、保証期間や金額も確認しておくとよいでしょう。

高収入を得るポイントは?

いま、どんなに稼いでいるタクシードライバーでも、最初はみんな未経験。乗務を始めたばかりのころに売上が伸び悩むのは誰にでもあることです。問題は、そこからどう工夫して努力していくか。毎日ただ何となくこなしていくだけでは売上も上がってはいきません。どんな工夫をすれば売上が上がっていくのか、ポイントを紹介します。

ポイント1 エリアを見極める

まず大前提として、確実に稼ぐためにはお客様がたくさんいるエリアで走ることが重要になってきます。例えば、人口が多い都市部ほど、お客様も多く、売上も上げやすくなるでしょう。しかし、都市部ならどこでもよいというわけではありません。とくにお客様の利用が多いのは、タクシー業界で「特別区・武三地区」と呼ばれる、東京23区、武蔵野市、三鷹市のエリアです。お客様を乗せ、目的地で降ろした後、すぐに次のお客様が乗ってくる、そんな「入れ食い」状態になることも珍しくありません。

また、東京都心だけでなく、地方都市でも十分にそのようなエリアはあります。お客様としてタクシーに乗ろうと思ってもなかなか見つからなかったという経験はありませんか?それは、それだけ需要があるエリアということです。また、昼間に忙しいエリアと、夜間に忙しいエリアもあります。まずはどこで走らせるかエリア特性を見極めるとよいでしょう。

ポイント2 時間帯を見極める

タクシーの利用客が多い時間帯はいつかを理解して、出勤時間や休憩時間を取ることはとても大事です。「朝夕の通勤・通学の時間帯」「高齢者の通院の時間帯」「終電がなくなった後…」などが基本的にお客様が増える時間帯でしょう。また、雨予報の日は特に出勤時の利用客が見込めるため、出勤時間を早めたりという努力も必要でしょう。タクシードライバーは比較的自由に出勤時間や休憩時間を調整できるため、こうした稼げる時間帯を見極めることがポイントです。

ポイント3 自分からお客様を見つけに行く

タクシーの営業スタイルには、大きく分けて以下の3つがあります。

  1. 「流し営業」・・・走りながらお客様を探すスタイル
  2. 「付け待ち(待機)」・・・駅やタクシー乗り場でお客様を待つスタイル
  3. 「予約・配車」・・・お客様からの要請でお迎えにいくスタイル

とくに地方の場合、ほとんどが「付け待ち」か「予約・配車」ですが、大都市圏の場合、「流し営業」で自分から積極的にお客様を見つけにいくも一つの方法です。確実にニーズの見込める駅や乗り場で「付け待ち」するのもよいですが、自ら動くことで、お客様が多い場所や時間帯など、新たなポイントを見つけることができるかもしれません。

ポイント4 記録を残しておく

「今日はどういう道を走り、どこでお客様を乗せられたか」、「どんな天候のとき、どこでお客様が多かったか」、「いつもの駅でも平日と休日でどんな違いがあったか」など、毎日の記録を書き残しておくとよいでしょう。毎日何十人ものお客様を乗せて、さまざまな場所に行きますので、次の日には意外と忘れてしまうものです。ぜひその日のうちに記録を残し、振り返りをしておきましょう。例えば、「雨の日にあそこに人が多かった」などと記録しておけば、次の雨の日にもそこでお客様を乗せられるかもしれません。そういった記録をもとに傾向をつかんでいくことでお客様を見つけるコツを身に付けていくことができます。

ポイント5 先輩ドライバーからアドバイスをもらう

先輩ドライバーたちの経験は何よりも貴重な財産です。とくに入社したてのころは、新人・後輩としての特権を生かして、知識も経験もある先輩たちから素直に学ぶのが一番の近道です。自分で改善点を探ったり、いろいろと試すことは大切ですが、先輩ドライバーたちも、おそらくあなたが考えているようなことを実践し、経験してきているはずです。
些細なことでも遠慮せずに、先輩たちのアドバイスを聞いてみましょう。

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