長時間運転をすると、目、腰、肩に肉体的な疲労がきます。
タクシードライバーの場合、お客様を探しながら走っているので、視界にはたくさんの情報が流れ込んできて、目に大きな負担がかかります。また、お客様を乗せ、より神経を使って注意深く安全運転をしているため、精神的にも疲労します。
ここでは、そんなドライバーのための疲労回復対策をご紹介します。

肉体的疲労回復対策(目 編)

目薬をさす

集中して運転していると、まばたきの回数が減り、目が乾きやすくなります。エアコンを使っているとなおさらです。適度に目薬をさすことで、目の乾燥を防ぐだけでなく、ピント調節機能も回復し、目の負担が和らぎます。

目のストレッチ

目を酷使すると、目のまわりの筋肉が緊張状態になり、頭痛につながることもあります。そこで、目のまわりの筋肉をほぐすストレッチをすることで緊張状態を緩和し、疲労を回復させます。

  1. 目を強く閉じて、ゆっくり開く。
  2. 眼球を時計回りにゆっくりと1周回す。今度は反時計回りで1周回す。眼球はなるべく大きく、ゆっくり動かす。

これを数回繰り返すだけです。車内でも簡単にできるストレッチなので、「付け待ち」などで停車している際に、ぜひ試してください。

日差しが強い日はサングラスをする

日差しが強くて、まぶしいと感じるときは、目にも負担がかかっています。そんなときはサングラスをすると良いでしょう。また、紫外線も目の疲労につながりますので、紫外線カットのメガネをするのも一つの方法です。

目を温めながら仮眠する

目のまわりを温めて血行を良くするのも目の疲労に効果的です。ドラッグストアやコンビニなどで売っているホットアイマスクをして、休憩中に仮眠をすることで、肉体的にも精神的にも疲労回復ができます。

肉体的疲労回復対策(肩、腰 編)

シートの角度を調整する

正しくない姿勢で運転席に座っていると肩や腰に負担がかかります。シートに深く腰かけ、背中は背もたれにピッタリつけたほうが、姿勢もずれずに疲れにくい正しい姿勢で座ることができます。シートの正しい位置は、アクセル、ブレーキに足をかけたとき、膝が完全に伸び切らない状態。そして、ハンドル上部に手首を置いたときに、肘が完全に伸び切らない状態がベストポジションです。

サポートグッズを使用する

腰が痛くなる場合、背中がシートから浮いてしまい、余計な筋肉を使っていることが原因かもしれません。その場合にはシートと腰の間に低反発クッションなどを置くことでフィットさせ、腰にかかる負担を減らします。そのほかにも、カー用品チェーン店などに行くと、さまざまなサポートグッズが売っているので、自分にあったものを見つけてみるのも良いでしょう。

タクシーから降車して身体をほぐす

乗務中はどうしても長時間同じ姿勢で運転をしているため、身体が凝りやすくなっています。そこで、休憩時間や「付け待ち」のときなどで車外に出られるときは、なるべくタクシーから降車して背伸びをしたり、屈伸をしたり、アキレス腱を伸ばしたりと、さまざまな方法で身体をほぐすようにするとよいでしょう。

休憩を取る

身体が疲れてくると注意力も散漫になり、事故にもつながりやすくなりますので、自分では疲れを感じていなくても、1~2時間を目安に、意図的に休憩時間を取るようにしましょう。例えば、駅やホテルなどで「付け待ち」をしながら休憩を取れば、休憩時間も無駄にならず、効率よく休憩ができるかもしれません。

シャワーを浴びる

ほとんどのタクシー会社にはシャワー室が完備されています。休憩中に一度営業所に戻ってきてシャワーを浴びると、身体の緊張が解け、リフレッシュできると思います。また、眠気を覚ますためにも効果的です。

精神的疲労回復対策

心に余裕を持って運転する

車を運転する際には、心に余裕を持つことが何よりも大事です。とくに人間は、時間に追われると心に余裕がなくなり、ミスをしやすくなります。なにごとも焦らないように時間にも余裕を持った運転計画を立てることが重要です。もし、「焦っているな」と少しでも感じたときは、いったん車を停めて降車し、大きく2、3回深呼吸をして外の空気を吸うだけでも精神的にリラックスできることでしょう。

好きな音楽やラジオを流す

好きな音楽やラジオを流して聴くのも、精神的な疲労回復には効果的です。好きなBGMは脳へと伝わり、自律神経系に作用して、リラクゼーション効果があると言われています。また、心の状態にも良い影響を与え、感情、知覚、認知を活性化させるということがわかっています。お客様を乗車させているとき以外の時間は、自分の好きな音楽やラジオを流し、ストレスを軽減させるとよいでしょう。

車線変更の回数を減らす

車線変更をする際、まわりの車の動きに注意する必要があるので、ふつうに直進で走行するときよりも意外と気を使っています。また、むやみな車線変更は事故にもつながります。お客様からのご要望の場合はともかく、それ以外ではなるべく車線変更をせず安全運転を心がけましょう。

プロのドライバーとして眠気には要注意

プロのドライバーとして働く上で眠気は大敵です。もし、少しでも眠気を感じたら、以下のような方法で眠気を覚ましてください。

  • 食後に短時間の仮眠をする
  • エナジードリンクや栄養ドリンクを飲む
  • 軽い運動やストレッチをする
  • 市販薬を利用する

なお、疲労がピークの際には、集中力も途切れて事故を起こしやすくなってしまうので、無理せず休憩や仮眠をとって、疲労回復しながら、安全運転に努めてください。

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