「白タク」という言葉を聞いたことはありますか?「白タク」とは「白タクシー」の略で、タクシー営業に必要な認可を受けず、自家用車で営業している違法タクシーのことです。営業許可を受けていないため、「白タク」は取り締まりの対象となっています。では、最近ニュースでよく見聞きするようになったUberやLiftなどとは何が違うのでしょう?

一般的なタクシーと「白タク」の違い

一般的なタクシーと「白タク」との違いは、ナンバープレートで見分けられます。営業許可を受けているタクシーは事業用の緑のナンバープレートとなっていますが、「白タク」は主に自家用車を利用しているため、一般の白いナンバープレートのままです。ナンバープレートの色が白いので「白タク」と言われています。なお、ホテルや民宿なども自家用車で送迎サービスを行っているところがありますが、運賃が発生しておらず、あくまで宿泊サービスの一環として行っているので問題はありません。

「白タク」営業は罰則対象となります

タクシー事業を行うには認可が必要となります。営業許可なくタクシー事業を行った場合は、「道路運送法」違反となり、「三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科」されることとなります。最近では、アプリなどを通して配車・決済まで終えてしまえるので、見た目では判断が付かず検挙が難しくなってきているのが現状ですが、違反行為が発覚した際には処罰を受けます。

進む規制緩和の動き

現在、日本の法律では、「白タク」の営業は禁止されていますが、近年、一部規制を緩和させる動きが進んでいます。例えば、交通空白地帯や公共交通機関のドライバー不足などで、過疎地を中心に観光客の交通手段として自家用車を活用することが2015年の「国家戦略特区諮問会議」にて取り上げられ、試験的に一部の地域で運用されました。このように自家用車を利用した運送方法を一般的に「ライドシェア」もしくは「ライドヘイリング」(相乗り)と呼んでいます。一般人のドライバーと乗車を希望する人を、インターネットを使ってマッチングするサービスで、ドライバーはタクシーのように有償で乗客を目的地まで運びます。欧米ではすでに積極的に活用されており、UberやLiftが代表的な企業となります。

ライドシェアのメリット・デメリット

■メリット
・ タクシー事業が行き届いていない交通空白地帯でもサービスを受けられる
・ 同業社間での競争が活発化することで、従来よりも安価でサービスを受けられる

■デメリット
・ 許可を受けていない一般人のドライバーが運転するため、運転技術やサービスの質が担保されない
・ 万一事故が起きた場合、補償責任をどうするのかといった問題がある
・ 日本では現在、「道路運送法」に抵触する

同じタグの記事を見る

#用語 #豆知識 #トピックス