「体調が悪くて公共交通機関を使うのはツライ」、「身体が痛くて歩くのがキツイ」…。
このような理由から、自宅から病院までの移動手段としてタクシーを利用される方も大勢います。もし、お客様に病院への送迎としてご乗車いただいた際、タクシードライバーはどのような点に気を付ければよいでしょうか?
ここでは病院への送迎に関する注意点をご紹介します。

病院への送迎で注意すること

病院への送迎の際は、いつも以上に安全運転を意識し、お客様に負担をかけない運転をすることが大切です。

気を付けるべきポイントは、発信・停車・加減速時の衝撃を少なくすることと、速度を落として曲がることです。急発進や急ブレーキ、急加速は、助手席や後部座席に座っている方にとって、頭が揺らされ結構な衝撃となります。発進時にはクリープを使ってゆっくりと走り出したり、停車時にはゆるやかにブレーキをかけるようにしましょう。また、カーブを曲がるときには、遠心力で身体に負担がかかるため、いつも以上に速度を落として曲がるようにし、丁寧で安全な運転を心がけるようにしてください。

病気やけがの方を乗せるときに注意すること

病気やけがの症状によっては、本来救急車を呼ぶべきですが、お客様によってはタクシーを呼ぶ方もいて、病気やけがの方を病院に送迎することもよくあります。しかし、タクシーは救急車両ではないため、病人の搬送であっても交通ルールは守らなくてはなりません。そのため、もし事態が一刻を争うような深刻な場合には、警察や救急に連絡を入れておくとよいでしょう。場合によっては、パトカーがタクシーを先導し、緊急車両と同様に病院に搬送できることもあります。

高齢者を乗せるときに注意すること

身体が不自由なため、自分で車を運転することや、公共交通機関で移動することが難しいという高齢者の方の場合、移動手段としてタクシーを利用されることはよくあることです。「福祉タクシー」や「介護タクシー」であれば、車いすのままタクシーに乗ることができますが、一般のタクシーの場合、車いすのまま乗ることはできないので、後部座席に乗っていただいた後、車いすをたたんでトランクに格納します。一般のタクシードライバーの場合、介助・介護はできないので、あくまでご高齢者の方の乗り降りの簡単なサポートとなりますが、手を貸してあげたり、荷物を持ってあげたりといった「おもいやりの心」で接すると、大いによろこばれると思います。

妊婦さんを乗せるときに注意すること

タクシーの中には「マタニティタクシー」「陣痛タクシー」と呼ばれるサービスがあります。これは、妊娠中の女性に向けたタクシーサービスで、事前に自宅やかかりつけの病院を登録しておくと、陣痛が始まった際にかけつけ病院まで送迎してくれるというものです。妊婦さんを乗せるときには、身体に負担をかけない運転をすることはもちろん、陣痛中に破水や出血をする場合もあるため、お客様に渡せるようなタオルや防水シートの準備をしておきましょう。また、降車時に運賃の支払いが困難な場合も多いので後払いにしておくなど、妊婦さんへの負担を少しでも和らげるような「おもいやりの心」で対応するとよいでしょう。

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