タクシーに乗車していると、車内の無線機から他のドライバーや配車センターとの会話が聞こえてくることがありませんか?また最近では、カーナビやタブレットが搭載されているタクシーもよく目にするようになりました。それらは「AVM無線配車」と呼ばれ、配車センターのオペレーターが、ドライバーとの会話によってリアルタイムに状況を確認しながら、GPSを使って車両位置を把握するシステムです。ここでは、タクシーの配車システムの現状をご紹介します。

「AVM無線配車」とは?

タクシー会社では、お客様からの配車依頼を受けたオペレーターが、依頼場所の近くにいるタクシーを現場に向かわせるように手配しています。その際、どのタクシーを向かわせるのが最も効率的なのかをすぐに判断する必要があります。

「AVM無線配車」は、無線の発信電波からタクシーの位置情報をオペレーターがリアルタイムで把握するシステムでしたが、近年ではGPSで位置情報が把握できるように進化しています。また、カーナビを搭載するタクシーが増えていることから、交通状況やタクシーの実数を正確に把握し、素早く確実に配車を行うことが可能となっています。

これまでの無線配車

従来は、無線を受信したタクシーの中から、最も近くにいる車両に配車が割り振られていました。しかし、無線での会話では、具体的な位置情報の把握や、配車場所への誘導が難しく、お客様を待たせてしまうなどのデメリットがありました。また、無線を受信するためには電波の良い場所にタクシーがいる必要があり、ドライバーにとってのデメリットもありました。

配車システムのデジタル化

最近、タクシー車内で無線の会話を聞くことが減ってきたと感じている方も多いのではないでしょうか。これは、配車システムのデジタル化が進んだことが要因です。最近では無線配車システムのほか、カーナビなどのデジタル機器を利用し、オペレーターがドライバーに対して、モニター上で指示を出す形で配車地点への誘導を行っています。これにより、文字による的確な指示ができたり、お客様の場所までカーナビが誘導してくれるため、ドライバーも効率的に乗務をすることができるようになりました。

配車システムの導入でコスト削減

配車の精度が高まり便利になる一方で、無線配車システムの導入には高額な費用がかかることや、数年すると機能が古くなってしまうこと、また、配車を担当するオペレーターの人手不足などが問題となっています。近年では、電脳交通のクラウド型配車システムのように、低価格でコスト削減につながるシステムやサービス、配車業務にかかる負担を大幅に改善するサービスの開発が行われており、最新で低コストの配車システムを導入するタクシー会社が増えてきています。このようなサービスの開発や導入により、地域交通の課題解決や、タクシー業界のデジタル化が一層進んでいくと期待されています。

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