全国にはタクシー会社が約6,000社もあります。
その中から自分に合ったタクシー会社を選ぶのは、至難の業と言えます。
入社してから「こんなはずじゃなかった…」と後悔しないように、自分にとって譲れないポイントは何なのか判断基準を明確にし、軸をぶらさずに選ぶことが大事です。
会社選びに迷ったときは、以下のようなポイントに着目しながら、
比較・検討してみてはどうでしょう。

会社規模で選ぶ

タクシー業界にも大小さまざまな会社があります。従業員数1,000人を超えるような大手のタクシー会社であれば、資金力にも余裕があり、給与条件や福利厚生、研修制度なども充実している傾向があります。

また、知名度が高いため無線配車の数が多く、稼ぎやすいというメリットもあります。それだけに求職者からの応募が多く、採用が狭き門だったり、入社後もライバルが多いという側面があります。

一方、中小規模のタクシー会社であれば、大手に比べて待遇・設備面では劣るかもしれませんが、従業員一人ひとりの顔と名前が一致する距離感で、家族のようにしっかり面倒を見てくれるところもあります。

給与条件で選ぶ

タクシー会社の給与は、基本的には「歩合制」です。
「完全歩合制」の会社もあれば、「基本給+歩合制」の会社もありますが、給与条件を会社選びの軸にするのであれば、歩合率の高い会社を選ぶのがおすすめです。

仮に「完全歩合制」で歩合率60%の会社であれば、月80万円の売上の場合、ドライバーの収入は48万円となります。

一方、歩合率50%では、月80万円の売上の場合、基本給18万円+歩合給22万円でドライバーの収入は40万円となります。腕に自信があれば「完全歩合制」のほうが稼げますが、売上が低かったときのリスクを考えると「基本給+歩合制」のほうが安心感があるとも言えます。
なお、研修期間中の日当や試用期間中の最低給与保証の有無も、会社選びのポイントになります。

勤務形態で選ぶ

タクシー業界ならではの「隔日勤務」のように、1回の勤務時間が長くても効率的にたくさん稼ぎたい方もいれば、子どもや介護の関係から「昼日勤」で働きたい方もいます。

また、配偶者の扶養内で働きたいという主婦ドライバーの方や、年金受給額を減額されない範囲で調整したいという高齢ドライバーの方もいます。

このように、自分に合った雇用形態の希望が通るかどうかも、会社選びのポイントになります。

福利厚生で選ぶ

いかに仕事が好きでも、労働環境が整っていなければ、長く働くことは困難です。モチベーションを保って健康に働くためにも、福利厚生の充実は大きな判断軸になります。

とくにタクシー業界は「隔日勤務」や「夜日勤」があるため、快適な仮眠室や休憩室、浴室などの設備があるかどうか、寮や社宅を完備しているかどうかは重要なポイントです。従業員を大切にしている会社ほど、福利厚生への取り組みに注力していると言えます。

教育・研修制度で選ぶ

タクシードライバーという仕事は、異業種から転職してくる方がほとんどですので、車を運転すること以外は未経験という方が大勢います。

そのため、入社後の教育・研修制度が整っているかどうかで、この先の仕事がうまくいくかどうかが決まってくると言っても過言ではありません。新たに入社してきた方を、しっかり一人前に育てていこうという会社ほど、独自の研修制などを設けており、資格取得費用の全額負担なども充実しています。

万が一のバックアップ体制で選ぶ

タクシードライバーの不安の一つが、乗務中の交通事故です。いかに安全運転を心がけていたとしても、万が一の事故や故障は起きるものです。修理などにかかる費用は会社が負担してくれる場合がほとんどですが、この補償内容も会社によってかなりの差があります。補償の上限設定はどうなっているか、休業補償などの手当があるかどうか、タクシー会社を選ぶ上で、万が一のバックアップ体制を知っておくことは何より重要なことです。

場所で選ぶ

実は、営業所や車庫の場所も会社選びでは重要なポイントになります。「タクシーに乗車して走っているので営業所は関係ないのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、営業所が家から近い場所であれば、通勤時間の短縮につながり、通勤ストレスから解放されることでしょう。

また、車庫が街の中心部に近い場所であれば、駐車スペースの関係から車通勤はできないかもしれませんが、始業後すぐにお客様を乗せられる可能性が高くなり、売上アップにつながるとも言えます。

顧客満足度から選ぶ

顧客満足度が高いタクシー会社は、運転技術や接客マナーがお客様に評価されているので、それだけ従業員教育が行き届いている証と言えます。教育がしっかりしている会社で働くことで、ドライバー自身のレベルアップにもつながりますし、サービスレベルの向上が無線配車の数にも反映され、売上アップにもつながるという好循環にもなります。

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