1912年、日本で初めてタクシーが運行されてから今年で110年目になります。
お客様を目的地まで乗せ、降車時に乗車距離や時間に則って料金を支払うという、110年続いたタクシーのビジネス業態が、いま変わりつつあります。
この変化は、IT技術の進化や少子高齢化や地方の過疎化といった日本社会の構造変化など、様々な要因が関係しています。
本記事では、私たち電脳交通が取り組んでいるタクシー事業者向けの配車システム提供という事業を通じて感じている変化や事例についてお話します。

タクシーをどうやって呼ぶ?

この記事を読んでいるみなさまにとって、「タクシー」とはどんなものでしょうか?
「終電が無くなった時に乗るもの」「急いでいる時に乗るもの」「荷物が多い時に乗るもの」「電車やバスに比べて料金が高い乗りもの」など、抱いているイメージは人それぞれだと思います。

では、タクシーに乗りたい時はどうしていますか?
「駅や病院ならタクシー乗り場に行く」「大きな道路沿いで空車のタクシーを拾う」、最近なら「配車アプリでタクシーを呼ぶ」という方も増えてきたと思います。
これらをイメージするのは、恐らくある程度の都市部に住んでいるか、住んだことがある方だと思います。

日本で一番多いタクシーの呼び方って?

実は日本で一番多いタクシーの呼び方は、電話でタクシーを呼ぶ方法です。
近年普及してきたタクシー配車アプリも、日本全国だと利用率は数%に留まります。地方ではタクシー利用の75%が電話からの利用というデータもあります。
地元に根ざしたタクシー会社に電話して「タクシー1台お願いします」と依頼し、電話を受けた配車室からタクシーに「◯◯に一台向かってください」と指示するという流れが一般的です。

タクシーをどうやって配車するの?

タクシー会社はお客様から依賴があった後、どうやって乗車地点にタクシーを向かわせるのでしょうか?タクシーに乗った時、運転手さんが何か無線でやり取りしているのを聞いたことがある方もいるかもしれません。
従来の方法は、電話を受けた配車室のオペレーターが乗車地点の住所や目印、名前、連絡先を聞き、無線を使ってタクシー運転手に「◯◯で△△様がお待ちです」と指示を出します。そして運転手が「〇号車、向かいます」と応答し、お客様のもとへ向かいます。
しかし、この方法は「その地域の地理を熟知した土地勘のある配車オペレーターとタクシー運転手」がいないと成立しません。

タクシーの配車業務は多くの知識が必要?

タクシーを依頼されるお客様の中には、お客様自身がいる場所を説明できない場合や、「昔、◯◯スーパーがあった場所」のように漠然とした情報を伝えられることもあります。そんなお客様相手でも、しっかり位置情報を聞き出し把握するためには、オペレータの経験値や地理などの知識が必要なのです。
この熟練したオペレーターや運転手が辞めてしまうと、そのタクシー会社は困ってしまいます。また、代わりに採用した新人さんがいても、その人が多くの経験を積むには膨大な時間が必要になります。

高齢化が進むタクシー業界

現在、タクシー業界は他の業種に比べて高齢化が進んでおり、熟練者によって支えられている産業です。全国のタクシー運転手の平均年齢は59.5歳ですが、これは全業種平均と比べて10歳以上高いのです。
そして高齢化による退職者の増加、代わりとなる若年層の採用難、少子化による人手不足という問題は、タクシー業界に限らず、日本の全ての業界で起きている問題です。

こうした問題の解決に向けて、いま社会全体では「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉が多く語られています。
今まで人が手作業でやっていたこと、技術やノウハウがいる仕事を、人に代わって技術が補うことで、人がやらなければいけない業務普段の軽減や人手不足の問題解決に繋げる。
タクシー業界に置き換えれば、熟練したオペレーターや運転手の業務をDXすることが必要です。

この問題をを解決する核となるのが、私たち電脳交通も提供している「配車システム」です。
配車システムを導入することで、どのように業務を効率化できるのか、詳しい内容については、「配車システムで業務効率化」をご覧ください。

(株式会社電脳交通:広報部)

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